40:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:15:32.63 ID:qJIGiTwi0
「…っ!」
ありすは覚悟したように左の手でベルトを掴むと、ゆっくりと立ち上がった。
「……文香さん、さっき、私の笑顔が文香さんの力になるって、言いましたよね」
左手に持ったベルトを腰に当てる。
シュイイン、ガチッ。紗南の時と同じように帯が伸びて腰に固定された。
「私も、同じです。文香さんの笑顔が、元気な姿が、私を励ましてくれるんです…!」
『パズル&ウィッチーズ!』テテンテテテーン!
そして、右手に持ったままだった「パズル&ウィッチーズ」のガシャットのスイッチを押し込んだ。
タイトルコール、電子音、ありすの背後に「パズル&ウィッチーズ」のタイトル画面が現れる。
「私は、文香さんの笑顔を守ります!自分のために!文香さんのために!」
ありすは力強くガシャットを構えた。
「変身!」
『ガシャット!』
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?』
まばゆい光が視界を包み込む、しかし不思議と眩しくはなかった。
『アイムア…アイドル!』
急速に光が失せる。少し低くなった視界、太く短い指と不釣り合いに広い手のひら。
窓に反射した3頭身のありすの姿は、魔女のような衣装に身を包んでいた。
「…やれます。やらなきゃならないんですから」
ありすはその手をぐっと握りしめる。今更、プロデューサーの顔が頭をよぎった。
彼がこれを知ったら必ず止めさせるだろう。だが、今はそんな事を気にしている場合ではない。
前に目線を向けると、オレンジ色の物体は宙に浮かび、閉じられた本の姿を取っていた。
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