38:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:13:03.43 ID:qJIGiTwi0
「…これから食べようって時に、失礼です」
ありすは不満そうだ、理由はそれだけではあるまい。
文香は神妙な顔をして言った。
「そんなこと言っちゃ駄目ですよありすちゃん、ファンの皆さんには、優しくしないと。
皆さん、応援してくれてるんですから」
「それは、そうですけど…」
「アイドルの私たちが、不安そうな顔をしていては、ファンの皆さんも不安になってしまいます。
私たちが笑顔でいることが、皆さんの笑顔に繋がるんです」
「だから…ほら、ありすちゃんも笑ってください。それは私の元気にもなるんですから…」
「…文香さん」
ありすは顔をあげた。
文香は、こめかみに指をあて、辛そうな表情をしていた。
「文香さん…?」
「…あ、いえ、すいません、少し頭痛が…」
「風邪ですか…!?」
ありすは慌てて椅子から立ち上がった。ガタタッ、と大きな音がなり、ウェイトレスが怪訝な顔でそちらを見つめた。
「いえ、そんなことは…先程まで何とも無か…つっ…」ドサッ
「文香さん!?」
文香はありすをなだめようとして立ち上がり、そしてそのまま床に倒れてしまった。
「文香さん!文香さん、しっかりしてください!」
ありすは文香の傍に駆け寄り、肩を揺すった。
しかし文香は辛そうな表情のまま、強く目を瞑ったままだ。
「文香さ…っ!」
そこでありすは見た、文香の白い首筋からオレンジ色の粒子のようなものが泡立つのを
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