37:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:11:56.12 ID:qJIGiTwi0
「文香さん…」
ありすは恥ずかしさに顔を赤らめて俯いた。
「すみません…」
「いいんですよ。今日は、このお店に連れてきてくれただけでも満足です…」
「ほら…パンケーキ、来ましたよ」
二人の前に、イチゴやパイン、ブルーベリーなどが色とりどりに飾られたパンケーキが運ばれてくる。
ありすは、赤い顔をウェイトレスさんに見られないように顔を俯かせたまま元の席に戻る。
「あ、あのっ」
その時だ、二人の机に一人の男性が近づいてきた。
服装や顔立ちから察するに、学生であろう。
「あの…鷺沢、文香さん…ですよね?」
「…はい、そうですが」
それを聞くと、男子学生はぱあっと顔を輝かせた。
「あの、オレファンなんです!サ、サイン貰っても…」
男子学生は手に持っていたキャンパスノートを差し出す。
文香はにこりと笑ってそれを受け取った。
「えぇ…いいですよ」
「や、やった!」
「…むぅ」
それを見て、ありすは不満げに頬を膨らませた。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます!応援してます!」
男子学生は緊張した足取りで自分の机に戻っていく。
店を出ていくところだった白衣の少女にぶつかりそうになっていた。
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