137:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:22:01.90 ID:ntvrM9VEo
「余計な心配は無用で不要じゃ。適当に外を歩いておれば向こうの方から見つけてくれるわ――
向こうは吸血鬼退治の専門家じゃぞ。吸血鬼を見つけるくらいのことはお手のものじゃわい」
138:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:22:53.53 ID:ntvrM9VEo
ディスプレイには、三月二十八日、午後五時二十七分。不在着信三百八十二件、とあった。
たしか、ぼくがこっそり家を出たのが三月二十六日。二日間の無断外泊は相当に彼の
139:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:25:54.12 ID:ntvrM9VEo
「で、お兄さん、いつ帰ってくるんだ? パパもママも心配してるぜー。今日連絡なかった
ら町をあげて捜索しようかって今朝話してたぜー」
140:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:27:14.86 ID:ntvrM9VEo
なんて言えば、火憐ちゃんは納得してくれるだろうか? 武闘家な彼女なら……。
「そうだ、火憐ちゃん、今ぼくは確かに大変な事態に巻き込まれている」
141:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:28:52.44 ID:ntvrM9VEo
「あの、火憐ちゃん?」
「ああ、時間取らせて悪かったなお兄さん! じゃあな! 健闘をお祈り申し上げます!」
142:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:30:42.04 ID:ntvrM9VEo
「あ、あのね、月火ちゃん。えっと」
「ああ、大丈夫ですよー。火憐ちゃんの隣で全部聞いてたんで。あ、その火憐ちゃんはお
143:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:31:35.47 ID:ntvrM9VEo
そんな楽しい頼もしい会話が終わり、することがなくなってしまったぼくたちは、夜に
なるのを待った。もう春も近いというのに肌寒くなって来たので、キスショットにパーカ
144:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:38:40.05 ID:ntvrM9VEo
「そんなうまくいくかねえ」
なんだか乗せられてしまったような気がする。
145:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:40:32.59 ID:ntvrM9VEo
右の道に、男が立っていた。
筋骨隆々。身長はおそらく二メートル超え。無造作に伸ばした長い髪をカチューシャで
146:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:44:33.25 ID:ntvrM9VEo
さて、あの大剣、どうしたものか――と、ぼくは楽観的に構えてしまった。つい先程、
人生上手くいったことがないと、自戒したところなのに−−
147:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:45:43.25 ID:ntvrM9VEo
「やっぱり、そうなりますよね……」
振り返るまでもなく、わかる。後ろから、近づいてくる、アスファルトを踏む音。三人目
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