374: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:33:13.57 ID:9Ps6NfVqo
ふと、館内のどこかで、雑音に紛れて声が聞こえることに気づいた。
それも独り言ではない。
375: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:35:45.25 ID:9Ps6NfVqo
もう片方は旅行者か何かだろうか。
キャリーカートをそばに置き、相手の肩と机の上の何かに手を伸ばしている。
376: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:38:41.86 ID:9Ps6NfVqo
アロエもまた、なぜか若者の方にも見覚えがあった。
にわかには思い出せないが、たしかにどこかで見た顔だと思う。
377: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:42:04.28 ID:9Ps6NfVqo
アロエ(……まさか、あの子のことを)
頭が凄まじい速度で回転し始めた。
378: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:43:43.23 ID:9Ps6NfVqo
禿頭の男「ということは、あんたがここのジムリーダーか」
アロエ「……え? ああ、そういうことだね」
379: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:45:10.25 ID:9Ps6NfVqo
レンジャーは何か言いたげに口を開こうとした。
それを手で遮り、アロエはレンジャーを睨みつける。
380: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:46:55.63 ID:9Ps6NfVqo
レンジャーはみるみる青ざめていく。
子供のように身を縮めて黙り込んでしまった。
381: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:48:45.47 ID:9Ps6NfVqo
レンジャーもばたばたと荷物をサックに詰めている。
アロエは『ふう』と息を吐く。
382: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:54:16.22 ID:9Ps6NfVqo
扉の先は広い事務室になっている。
普段は職員が諸々の仕事をしたり、あるいは待機しているだけだ。
383: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:56:36.17 ID:9Ps6NfVqo
アロエ「ア……アデク……」
アロエが名前を口にすると、男は嬉しそうに頷いた。
384: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:58:57.28 ID:9Ps6NfVqo
アロエは肩を竦めた。
なにか引っ掛かる部分があるのに、自分でも正体がよくわからない。
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