384: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:58:57.28 ID:9Ps6NfVqo
アロエは肩を竦めた。
なにか引っ掛かる部分があるのに、自分でも正体がよくわからない。
アデク「お前さんに声をかけようにも、取り込み中のようだったしな」
アデク「しかたないから職員を捕まえようとしたんだが」
アデク「わしの顔を見るなり、『コチラヘドウゾ!』などと慌て始めてな」
アデク「いつの間にか、こうして冷えた茶までご馳走になっているというわけだ」
なるほど、トレーを抱えた職員が困っていた原因はこの男だったわけだ。
ぎしぎしと彼の椅子が鳴る。
アデクがすっと立ち上がり、さりげなく自分の荷物に手を伸ばした。
『よっこいしょ』と言わないところが彼らしい、とアロエは思う。
アデク「とはいえ、調べ物は後回しにせにゃならんようだ」
アデク「……と、いうより、もはやその必要もなくなったというか」
アロエ「へえ……そうかい」
アデク「わしも混ぜてもらってかまわんかね」
ぎくりと背筋が冷えた。
アロエは彼の顔を改めて見る。
口元は微笑んでいても、目が笑っていない。
アロエ「……なんのこと」
アデク「お前さんが今からやろうとしとる、その『説教』にだ」
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