383: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:56:36.17 ID:9Ps6NfVqo
アロエ「ア……アデク……」
アロエが名前を口にすると、男は嬉しそうに頷いた。
自分の後ろで、レンジャーが何か言おうとしている。
手と目でそれを制し、アロエは話を続けた。
アロエ「生きてたんだねえ、アンタ」
アデク「そう驚くこともないだろ」
そう言いながら、アデクと呼ばれた男は椅子を少し回転させる。
アロエたちに正対し、背もたれから身体を離した。
アデク「見ての通り、幽霊じゃあないぞ」
アロエ「たしかに、向こう側は透けて見えないし、足もあるね」
アデクは声をあげて笑い、自分の膝を叩いた。
孫がいるほどの年齢にもかかわらず、まるで少年のようだ。
アロエ「……“放浪の旅”に出てたと思ったけど」
アデク「ま、その通りなんだが、ちと用があってな」
アデク「自分で本を探すか、さもなくばお前さんに聞きゃあいいと思って寄った」
アデク「まあ自分で探そうにも、タンマツとかいう機械の使い方がわからんかったのだが」
アロエ「そんなこったろうと思ったよ」
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