376: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:38:41.86 ID:9Ps6NfVqo
アロエもまた、なぜか若者の方にも見覚えがあった。
にわかには思い出せないが、たしかにどこかで見た顔だと思う。
そのわりに名前はなかなか浮かんでこない。
見たところ、青年は私服で、いかにもプライベートらしい。
制服で一度か二度会っただけだとすれば、もうわからない。
必死に思い出そうと努力しながら、アロエは続けた。
アロエ「なにがあったか知らないけど、どっちもいい大人なん……」
ちょうどそのとき、彼らの奪い合っているノートに目が行く。
アロエ(……この絵は)
ノートには、黒っぽい絵が書かれている。
ペンでぐりぐりと描かれただけの落書きだ。
だがよく見れば、どこかで見たようなシルエットに思える。
二足歩行の何者かがマントを羽織ったような形。
妙に長い尾。
何が描かれているのか、正確なところはわからない。
だがアロエは、その絵が示すもの、描こうとしたものを理解してしまった。
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