114: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:39:33.40 ID:HsthgRdno
写真の下辺には、赤みの強いオレンジ色の襟が写り込んでいた。
ヤグルマに常駐する『レンジャー』であることが、その色でかろうじてわかる。
115: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:42:08.27 ID:HsthgRdno
森に程近い、シッポウシティのアロエ。
今度は、隠し撮りらしく妙に写りの悪い写真が添付されている。
116: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:46:00.38 ID:HsthgRdno
これらの資料こそ、あのレンジャーが異動を拒んできた理由だろう。
『監視役』でないのならば、これが主たる動機だと考えていい。
117: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:48:19.61 ID:HsthgRdno
聞き慣れた声がモニタ脇のスピーカーから響いた。
声がかすかに焦っているように聞こえる。
118: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:51:11.39 ID:HsthgRdno
ゲーチス「……ところで、何か話したいことがあったのでは」
アクロマが一瞬、動きを止めてから、深くゆっくり息をついた。
119: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:53:20.80 ID:HsthgRdno
アクロマ『でも駄目でした。研究員はみな、どうしても、嫌がったのです』
ゲーチス「なぜ、嫌がったのでしょう」
120: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:55:52.55 ID:HsthgRdno
アクロマ『……』
ゲーチス「おや、あなたも事前に知っていたではありませんか」
121: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:59:34.64 ID:HsthgRdno
眉を顰め、アクロマはふたたびゲーチスに不審の目を向けた。
アクロマ『それは当然でしょう』
122: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 01:02:17.83 ID:HsthgRdno
少しきょろきょろしてから、アクロマは話を続ける。
アクロマ『あ……いえ、それは、まあ、いいのです』
123: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 01:04:44.60 ID:HsthgRdno
?????「……潜伏先の特定に手間取りました、お許しください」
さきほどとは少し違う位置、部屋の片隅からよく似た声がする。
124: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 01:06:43.46 ID:HsthgRdno
短い返事を残して、気配は瞬時に三つとも消えた。
最後に言葉を発したのが三人の内の誰なのか、ゲーチスにもよくわからない。
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