124: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 01:06:43.46 ID:HsthgRdno
短い返事を残して、気配は瞬時に三つとも消えた。
最後に言葉を発したのが三人の内の誰なのか、ゲーチスにもよくわからない。
ゲーチスは小さく笑うと、挑発するような視線をアクロマに向けた。
ゲーチス「そういうことらしいですね」
対するアクロマもまた、遠慮のない目つきでにやにやしている。
アクロマ『やはり、あなたの計画に参加して正解でした』
ゲーチス「そう言っていただけると、提案した甲斐があるというものです」
重々しく立ち上がり、ゲーチスはアクロマに悟られないように肩で息をした。
ゲーチス「私は今すぐ行きますが、あなたはどうしますか?」
アクロマ『わたくしも、今からそちらに伺います』
ゲーチス「では、下で落ち合うことにしましょう」
そう言うと、ゲーチスは通信を切った。
部屋がしんと静まり返る。
三人組の気配はすっかり消え、アクロマとの会話の残響もない。
スタンドライトも消すと、まるで、初めから誰もいなかったかのようだ。
首を捻り、肩を動かすと、ごきごきと不穏な音がした。
それほど疲れている自覚はなかったが、思わず溜息が漏れる。
ゲーチス(……さて、ここからが本番か)
ゲーチス(素直に協力してくれればいいのですが)
かなり夜も更けているが、眠気はほとんどない。
一刻も早く『客人』に会わなければならないのだから、寝ている暇はないのだ。
自分でもよくわからないが、ゲーチスには妙な確信があった。
アクロマから話を聞いたときから、わかっていたような気さえする。
『もうすぐミュウツーに会える』。
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