ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第三幕
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119: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/08/21(日) 00:53:20.80 ID:HsthgRdno

アクロマ『でも駄目でした。研究員はみな、どうしても、嫌がったのです』

ゲーチス「なぜ、嫌がったのでしょう」

アクロマ『……正直なところを申し上げましょう』

アクロマ『あなたから、あれを入手した、と連絡を受けたとき』

アクロマ『わたくしも研究員も、少々事態を甘く見ていたことは否定しません』

ゲーチス「と、言いますと?」


アクロマの顔に、眉間の皺が苛立たしげに刻まれた。

ゲーチスにはその不快感もまた、彼にとっての重要な通過儀礼に思えてならない。


アクロマ『せ、せいぜい……人間の言うことを真似るのが上手い……とか』

アクロマ『話している……ように聞こえなくもない、とか』

アクロマ『そんなことだろうと高を括っていた節がありました』

ゲーチス「無理もありません」

アクロマ『ところがどザザ・ザす! あなたの連れてきたあザ・ザ・ザザは!』


一瞬、スピーカー越しの声が割れた。

研究について興奮を見せることがないわけではないが、それとは少し趣が違う。

これでは、興奮というより動揺しているという方が正確だ。

ゲーチスは彼の『醜態』に、内心少し驚いていた。


我に返ったアクロマはふたたび眼鏡に触れ、深く息を吸った。

自分が声を荒らげたことに、彼自身が驚いているようにも見える。


アクロマ『……失礼しました』

ゲーチス「いえ」

ゲーチス「……」

ゲーチス「話をしてみて、あなたはどう感じましたか?」

アクロマ『……』

アクロマ『……どう、と仰いましたね?』

アクロマ『それについては、むしろわたくしから、あなたに伺いたいくらいだ』

アクロマ『あなたは、なんとも思わないのですか』

ゲーチス「非常にユニークで面白い、と思いましたよ」

ゲーチス「暇であれば、もっと色々と話をしてみたいものです」

ゲーチス「あまり打ち解けてはくれていませんが、ね」


わざとらしく『残念そうに』眉尻を下げ、首を振ってみせる。




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