姉がアイドルということ
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15: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:50:08.58 ID:nm7zvJuf0
「ご、ごめんごめん。あのさ、俺の学校に姉ちゃんのファンの娘がいるんだけどさ、なんか……それっぽいこと言ってたからそれで」
「それっぽいこと、って自分が私の言うあの子だ、って?」
 いや、徳田さんはそうは言ってはいなかった。
「そうじゃないけど、姉ちゃんの言ってたあの子の話をしたら、そんなの昔の約束だとか迷惑だ、とか言ってたから」
 紗代子は少し、いやかなり興味を惹かれたようだ。
以下略 AAS



16: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:50:44.56 ID:nm7zvJuf0

 翌日。
 事務所で思いっきり突っ伏しているまつりを見て、朋花は小首をかしげる。
「どうしたんですか〜? まつりさんは」
「それがですね〜。昨日あれからまつりさんは、妹さんを問い詰めたそうなんですよ〜」
以下略 AAS



17: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:51:22.47 ID:nm7zvJuf0

 翌日、高山少年は初めて自分から隣のクラスへ行った。
「徳田さん、いるかな?」
 とりあえず近くにいた生徒に声をかける。
「徳田……? いやそれ、もしかして徳……」
以下略 AAS



18: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:52:21.62 ID:nm7zvJuf0

「姫はもう、なにがなんだかわからないのです……」
 事務所ではまつりが、手に頬を乗せて浮かぬ顔をしていた。
「今度はなんですか〜? また妹さんが冷たい態度になったのですか〜?」
「それが逆らしくてですね、朋花ちゃん」
以下略 AAS



19: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:52:57.22 ID:nm7zvJuf0
「それなら、そのお下がりを貸さなければよかったんじゃないですか〜?」
「でも、もしかしていつか妹が着てくれたら……そ思っていた姫も着ていた服を、妹が自分から……それもバッチリ似合っていたのですよ!」
「ではそれで、よしとしませんか〜? 妹さんも、まつりさんも嬉しいのなら、それで良いではありませんか〜?」
 まつりにしては珍しく、美也の言葉にギクリと核心を突かれた顔をする。

以下略 AAS



20: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:53:36.60 ID:nm7zvJuf0

「あ」
「うん」
 駅のホームで、高山少年は目当ての娘を見つけた。
 私服の彼女は新鮮で、そしていつも以上に可愛かった。
以下略 AAS



21: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:54:29.46 ID:nm7zvJuf0

「ようこそいらっしゃい。初めまして、かな。高山紗代子です」
「あ、は……い。初めまして。いつも応援しています」
 家に着くと、待ちかねたように姉……紗代子が2人を迎え入れてくれる。
「とりあえずリビングへどうぞ。なにかもってくるね」
以下略 AAS



22: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:55:06.29 ID:nm7zvJuf0
 リビングに戻ると、待っていたように徳田さんが話しかけてくる。
「お姉さん、家ではメガネなんだ」
 あれ?
 姉、紗代子はステージでは裸眼で髪もほどくが、普段はメガネをして髪も結んでいる。
 ステージとはかなり印象が変わるが、それは高山紗代子ファンの間では割と有名なことだ。
以下略 AAS



23: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:55:48.58 ID:nm7zvJuf0

 彼女を部屋に案内する。
「こ、ここ座ってよ」
 とりあえずベッドを指さし、彼は言う。
 座るのならイスの方が良いかも知れないが、座り心地の良いベッドを勧める。
以下略 AAS



24: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:56:27.85 ID:nm7zvJuf0
「え? なに?」
「ずっと言おうと思ってたんだけど、なんかタイミング? みたいなのはずしちゃった感じで」
「それって、なに?」
 徳田さんは、彼を見つめた。
「私、徳田じゃありません」
以下略 AAS



25: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:57:09.11 ID:nm7zvJuf0
「さて、私の名前はなんでしょう?」
「え?」
 そんなのわかるわけ……そう言いかけて、彼は口を閉じる。
 徳田さんは、いや徳田さんだと思っていた少女の目は真剣だった。
 真剣で、それでいてすがるような目をしていた。
以下略 AAS



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