姉がアイドルということ
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23: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:55:48.58 ID:nm7zvJuf0

 彼女を部屋に案内する。
「こ、ここ座ってよ」
 とりあえずベッドを指さし、彼は言う。
 座るのならイスの方が良いかも知れないが、座り心地の良いベッドを勧める。
「うん。ふうん」
 興味深そうに、徳田さんは部屋を見回す。
 もしかしてと思い、夕べ突貫で部屋掃除をしたのは正解だった。
「まつりちゃんのポスターとかあるのかと思ってたな」
 少し大げさに、彼女は口をとがらせて見せながらそう言う
「あ、実は、その……まつり姫のファンなのは姉ちゃんには秘密で」
「え? なんで?」
「なんか悪い……っていうのとはちょっと違うかもだけど、少しそういう気持ち……かな?」
「ふうん……」
 徳田さんは、少し考え込む仕草をした。
「あ、あとなんかからかわれそうで。サインとかもらってきてあげようか、とか言われても……ねえ」
「わかるよ。ちょっと欲しいなって思わなくもないけど、なんか『サインしてあげるのです』とか言われても、単純にわーいって気にはなれないのに」
「……え?」
 誰の話?
 そう彼が思った瞬間、彼女も「あ」と短く言う。
 なんとなく黙り込み、しばらくすると徳田さんは言った。
「私、高山君に話してないことが、実はあるんだ」


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