17: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:51:22.47 ID:nm7zvJuf0
翌日、高山少年は初めて自分から隣のクラスへ行った。
「徳田さん、いるかな?」
とりあえず近くにいた生徒に声をかける。
「徳田……? いやそれ、もしかして徳……」
「高山君?」
そうこうしている間に、当の徳田さんか彼の元にやってくる。
「あ、うん。そうだ、いたよ。ありがとう」
話しかけていた生徒は、肩をすくめると去っていく。
「私になにか用?」
「うん。あのさ、良かったらなんだけど……こ、今度の日曜日にウチに遊びに来ない?」
「え? 高山君の家に!?」
徳田さんが赤くなる。
大ファンであるアイドルの家に行けるのだ、それはそういう反応だろうと彼も理解する。
「嫌じゃなければ……なんだけど……その……」
「行くよ」
徳田さんは、胸の前で両手を握っていた。
その紅潮した表情に、高山少年もドキっとする。
「よ、よかった。あの……駅まで迎えに行くから……」
「うん。じゃあ九時に」
「わかった」
これ以上、彼女と話していると自分まで真っ赤になりそうだった。
彼は一目散に撤退した。
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