102:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:05:09.76 ID:XVB8s0iW0
この魔帝に次いで権勢を振るったのは、
やはりアルゴサクスである。
彼がムンドゥスから攻撃を受けず、
さらには魔界第二の地位を得ていた理由は、
103:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:05:40.39 ID:XVB8s0iW0
こうしてアルゴサクスは、
魔帝から魔界のほぼ半分にも相当する領域を与えられ、
その権勢を振るうこととなった。
これは傍目からすると大変な大盤振る舞いであったが、
やはりアルゴサクスにとっては屈辱的であった。
104:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:06:07.08 ID:XVB8s0iW0
ただし大戦力ではあるも、やはり魔帝軍との差は歴然であり
この明らかな劣等もまた覇王の不満を募らせるものであった。
魔界半分を手中にしながらこうまで配下の差があったのは、
やはり魔界頂点たる魔帝のほうが人気があったために
105:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:06:33.15 ID:XVB8s0iW0
一方、スパーダの日常は、
魔帝や覇王とはまた異なるものだった。
その性格や武技から最強の魔界騎士、あるいは魔剣士とも呼ばれた彼は、
己の欲求に忠実という点では同じだったものの、
106:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:07:00.98 ID:XVB8s0iW0
武の探求に全てを捧げる姿は、武人気質な悪魔たちの信奉をも獲得した。
また彼の経歴もその人気に拍車をかけていた、
スパーダは侵犯者の第一世代ではなかったからである。
魔帝や覇王、アビゲイルらは
107:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:07:47.87 ID:XVB8s0iW0
そんな孤高の姿もまた一部の悪魔たちからは憧れとされたが、
彼自身はそういった周囲からの熱意にも無関心だった。
そもそも当時のスパーダは、他者の生命や人格そのものに無関心だった。
彼の行動を支配していたのはひたすらな武の探求願望、
108:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:08:17.45 ID:XVB8s0iW0
またもう一つ、その性格において魔帝や覇王とは大きく異なる点があった。
かの二柱は保身の塊であったが、
スパーダにはそれが無いも同然だったのである。
彼にとっては力の探求こそが全てであり、
109:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:08:51.38 ID:XVB8s0iW0
このように三柱はそれぞれのやり方で、
基本的には欲求に忠実に活動し、魔界を意のままにした。
もちろん下々がその状況を全て受け入れたわけではない。
110:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:09:19.03 ID:XVB8s0iW0
16 強者の悩み
ロキとロプト。
分離したとはいえ、その力が消滅したわけではない。
大元のエーシルを鑑みれば、隠遁した今もなお
111:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:09:45.52 ID:XVB8s0iW0
こうして侵犯者たちは、ある段階で外的な活動を控え、
自身の力の完全なる制御方法を模索することとなった。
人間界への本格的な介入、すなわちエーシル=ロキへと挑む前に
まずはこちらを解消しようと。
112:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:10:19.94 ID:XVB8s0iW0
これは完全な解決方法ではなかった。
器を二つにしたことで単に許容量を増やしたというだけであり、
言ってしまえば肥大による自己崩壊を先送りにしただけだった。
とはいえ、当分はこれで安泰であり、
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