108:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:08:17.45 ID:XVB8s0iW0
またもう一つ、その性格において魔帝や覇王とは大きく異なる点があった。
かの二柱は保身の塊であったが、
スパーダにはそれが無いも同然だったのである。
彼にとっては力の探求こそが全てであり、
その目的のためには己自身ですら研究材料になり得た。
彼が後進でありながら侵犯者の域に達したのも、
己をも標本として扱い、
無謀な闘争や実験に放りこむという姿勢が一因だった。
それこそ下位の大悪魔が侵犯者格に挑戦するような、
悪魔視点から見ても正気の沙汰ではない行いを繰り返してきた。
そしてありとあらゆるものを貪り、
自我が別人と言えるほどに変質することも厭わずに吸収同化し、
己を強制的に進化させるという狂気的な手法も繰りかえした。
スパーダはまさに、
「力の渇望」や「闘争性」といった悪魔的性質が凝縮された、
きわめつけに純化された「悪魔の中の悪魔」だった。
魔帝ムンドゥスが魔界の実効支配者ならば、
スパーダはそれこそ悪魔の象徴ともいえる存在だったのである。
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