ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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107:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:07:47.87 ID:XVB8s0iW0
そんな孤高の姿もまた一部の悪魔たちからは憧れとされたが、
彼自身はそういった周囲からの熱意にも無関心だった。

そもそも当時のスパーダは、他者の生命や人格そのものに無関心だった。
彼の行動を支配していたのはひたすらな武の探求願望、
究極的には悪意も善意も含まれない純粋な好奇心である。
そして純粋ゆえに「無垢」でもあり、
曲解も偏見もなくあらゆる知識を柔軟に学び、そして真に理解しえるという、
探求においてより好循環となる性質も備えていた。
果実を巡ってムンドゥスに出し抜かれても、怒りや悔しさはなく
抱いたのは強くなったムンドゥスへの興味でしかなかった。

しかし一方で、その無垢な好奇心は
恐ろしいまでの冷酷さをも備えさせた。

ひたすら純粋ゆえに、彼にとって世の全ては
武力探求のための「材料」でしかなかったからである。
結果として彼の他者に対する行動は、
時としておぞましいほどに冷酷なものとなった。

これはある意味で、魔帝や覇王よりもさらに「悪」と言えた。

魔帝は他者の苦痛を快楽にし、
覇王は他者が服従することを快楽にしていたとおり、
善悪はともかく、他者の人格や意志そのものを
見定めようとする意識が両者にはあったからである。

だが当時のスパーダにはそのような意識自体が欠落していた。
極端に言えば、彼の見る世界に『他者』は存在しなかった。


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