ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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109:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:08:51.38 ID:XVB8s0iW0

このように三柱はそれぞれのやり方で、
基本的には欲求に忠実に活動し、魔界を意のままにした。

もちろん下々がその状況を全て受け入れたわけではない。
闘争と暴虐は全魔族にとっての本能、下克上の願望は誰しもが有しており、
ゆえに反乱や挑戦はあとを絶たなかった。

だがそれは自殺行為にも等しく、
聡明な者たちはやはり現状で耐え忍ぶ道を選んだ。
そして上辺では魔帝や覇王に従いつつも、
裏では修練を積み、様々な手で力の強化法も模索した。

その第一の手は、やはり人間界であった。
クリフォトの樹を抜きにしても、
魔帝や覇王の支配が及ばず、
エーシル系の新たな力に触れられる可能性があるこの世界は、
雌伏を耐える悪魔たちにとって魅力的なものだった。

そしてそのような人間界への注目は、侵犯者三柱も例外ではなかった。

むしろOMNEの領域たる超越者だからこそ、
エーシル世界の動向にひときわ強く注目し、
エーシル=ロキの絶大な力に警戒し、そして興味と羨望を抱き、
いつかは手中にしたいと三柱全員が考えていた。

だが、彼らはやはり積極的には動けなかった。
下々の悪魔達とは異なり、侵犯者は強大がゆえに、
隠遁していたエーシル=ロキが再臨して迎撃されるかもしれない、
という危惧、そしてもう一つ。

巨大化し続ける力による『自滅』の危険性である。


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