ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
1- 20
110:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:09:19.03 ID:XVB8s0iW0
16 強者の悩み

ロキとロプト。
分離したとはいえ、その力が消滅したわけではない。
大元のエーシルを鑑みれば、隠遁した今もなお
クイーンシバをも上回る力を有し得る。

それが侵犯者たちの共通認識であり、そして数少ない怖れでもあった。
だが、その力の差もいずれは克服できる、それもまた彼らの共通認識であった。
エーシル=ロキ・ロプトとは違い、侵犯者は今後も強くなり続ける、
そして全てを上回るはずという確信があった。

ジュベレウス、クイーンシバ、エーシル、ロキ、ロプト、
これら『オリジナルのOMNE』の破片は、
一度形を成した後はきわめて安定していたが、
安定していたゆえに完成しており、それ以上は強くなることも無かった。

しかし侵犯者たちの力、『複製されたOMNE』はそうではなかった。
複製であるゆえに不完全かつ不安定であったが、
不完全である限り、伸び代もあったのである。
くわえて力の増幅現象という魔族としての性質も
そこに大きな相乗効果をもたらすため、
将来的にもさらなる成長が見込めた。

とはいえ、巨大化し続ける力は危険も伴う。
特に大きな問題だったのは、力が肥大した果てに制御困難に陥り
器たる魂が耐えきれずに砕けてしまう、自壊による死の危険性である。

ムンドゥスらこの時代まで勝ち残った侵犯者たちは、
この「自滅」がいずれ避けられない段階にまで達していた。
このまま力が肥大し続ければ、
いずれ自分自身の力によって圧死してしまうのが目に見えていた。
かつて原初時代、OMNEの領域が安定を失って自壊したように。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice