ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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112:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:10:19.94 ID:XVB8s0iW0
これは完全な解決方法ではなかった。
器を二つにしたことで単に許容量を増やしたというだけであり、
言ってしまえば肥大による自己崩壊を先送りにしただけだった。

とはいえ、当分はこれで安泰であり、
他の完全なる解決策を編みだすうえで
充分な時間を与えてくれることとなった。
また、もしその時まで妙案がなくとも、
再び新たな分身たる魔剣を産みだせば良いともスパーダは考えていた。

この暫定的な成功は魔帝や覇王も大いに参考した。
魔帝はすぐにスパーダの方法を模倣し、
まずは分離した力を容れるための器の作成にとりかかかった。

しかしそう簡単にはいかなかった。
「創造」の力をもってすれば容易と魔帝自身は驕っていたが、
いざ始めてみると初期段階である器作成からはやくも頓挫した。

なぜなら、彼は何かを組み立てるうえでは全能の如き力を有していたが、
一方で全知には程遠く、『魔具』、もとい
『魔導武器』の製造に必要な知識が不足していたのである。

そこで、魔界随一の名工と謳われる悪魔マキャベリが
魔帝の命令によって知識を補い、こうしてある傑作群が産みだされた。
後世において「ナイトメア」と称される魔導兵器群の原型たちである。

この「ナイトメア」と呼ばれる試作の器たちは、
スパーダにとっての魔剣スパーダと同様、いわばムンドゥスの分身の卵であった。
そうして造りだした原型の中から、
もっとも完成度が高い素体を選び、魔帝は仕上げにとりかかった。
力と魂を吹きこみ、己が食した「果実」の一部をも与え、
恐るべき存在を造りあげたのである。


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