113:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:10:51.40 ID:XVB8s0iW0
このナイトメアを生み出す際、
肥大による自滅の阻止という本来の目的のほかに、
魔帝にはもう一つの狙いもあった。
さらなる武力である。
先のスパーダは、その分身を
魔界史上屈指の「武器」として造りだしていた。
単に自己崩壊を防ぐのみならず、
さならる武力の獲得も同時に成し遂げていたのである。
当然ながら魔帝もこれを羨み、同じことを目論んだ。
最後の仕上げに果実の断片をも投じながら、
魔帝は最強の武器を造りだすべく魂を注いだ。
圧倒的な武力を、破滅の権化のように、
悪夢の具現のように、と。
そしてその目論みは成功した。
もとい、成功しすぎた。
完成したナイトメアは、まさに絶大な可能性を有していた。
湧き上がってくる力は無尽蔵の如く、
その潜在的な力量は魔帝にも見通せないほどだった。
それこそ魔界をも滅ぼしかねない、
魔帝が産みだした最高傑作、究極の兵器であった。
これがスパーダだったのなら歓喜したものの、魔帝は違った。
ナイトメアの可能性を見た瞬間、彼は怖れたのである。
なぜなら、すでに制御不能の兆候が表れていたために。
それゆえ即座に拘束し、一切の成長も許さずに力を凍結し、
虚無へと封印してしまったのである。
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