105:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:06:33.15 ID:XVB8s0iW0
一方、スパーダの日常は、
魔帝や覇王とはまた異なるものだった。
その性格や武技から最強の魔界騎士、あるいは魔剣士とも呼ばれた彼は、
己の欲求に忠実という点では同じだったものの、
他二柱とは異なって支配欲は欠片もなかった。
スパーダの最大欲求は、『武』の果てなき渇望である。
彼はまず、果実を得たムンドゥスの力を観察し、
それに飽きると今度は魔界中を放浪した。
一応はムンドゥスの副官という立場ではあったが、
彼は自由に魔帝のもとを離れ、各地を好き勝手に巡り、
強者と決闘したり、戦乱に飛びいり参加したりと
気の向くままに闘争一色の日々をすごした。
もちろん襲来される側にとっては歩く災害同然だった。
とはいえ、魔帝や覇王に比べたら悪評は無いに等しかった。
強者にしか興味がないゆえに、戦乱に飛びこみ参加する場合も必ず強者側を狙い、
相手が魔帝勢だろうが覇王勢だろうが構わず斬捨てたからである。
そのため彼にはそんな意図が無くとも、結果として感謝されることすら多々あった。
そして魔帝や覇王も、そもそも配下の犠牲など気にも留めず、
また戦いとなれば話が通じないスパーダなら仕方ない、として黙認していた。
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