104:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:06:07.08 ID:XVB8s0iW0
ただし大戦力ではあるも、やはり魔帝軍との差は歴然であり
この明らかな劣等もまた覇王の不満を募らせるものであった。
魔界半分を手中にしながらこうまで配下の差があったのは、
やはり魔界頂点たる魔帝のほうが人気があったために
多くの人材が集まったこと、くわえて覇王勢力の増大を抑えるため、
魔帝からの「嫌がらせ」もあったからである。
魔帝はしばしば、間引きと称して覇王領へと軍を差向け、
覇王配下の有力者を殺害した。
もちろん覇王も黙っているわけがなく、時には報復として同様の行動をとった。
すなわち両者は同盟関係でありながら、同時にしばしば戦争状態でもあった。
魔界は魔帝によって統一されていながら、
同時に魔帝と覇王に二分され争っていたのである。
ただ、闘争を史上本能とする魔界の常識に照らせば、
この程度の「矛盾」は矛盾にはならなかった。
両者とも悪意と憤怒をぶつけ血の応酬を繰り返したが、
それは悪魔にとっては古来からの普遍的な習慣でしかなく、
対ロキを念頭とした同盟関係には何ら影響を及ぼさなかった。
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20