103:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:05:40.39 ID:XVB8s0iW0
こうしてアルゴサクスは、
魔帝から魔界のほぼ半分にも相当する領域を与えられ、
その権勢を振るうこととなった。
これは傍目からすると大変な大盤振る舞いであったが、
やはりアルゴサクスにとっては屈辱的であった。
いくら高待遇とはいえ、下位の者という烙印は拭えない。
かつて遥か弱者だったムンドゥスによる露骨な蔑みも耐えがたい。
さらには覇王自身も並々ならぬ支配欲があり、
第二位に甘んじることは不愉快極まりないものだった。
しかし果実を逃した現状、当面は魔帝に従うほかなく、
彼はその抑えた鬱憤を己の支配域への執着として発散した。
とくに、他者を絶対服従させることに快感を抱いた。
放任的だった魔帝とは異なり、覇王の統治はきわめて強権的だった。
各有力者へ徹底して絶対服従を強制し、
生じた反乱の機運は育てることなくすぐさま根絶した。
臣従させた悪魔たちを組織し、魔帝と同様に直属軍も作りあげた。
その規模は魔帝軍に次ぐ第二のものであり、
彼の強権支配の執行者としてその武名を轟かせることになった。
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