【ミリマスSS】あわてんぼうのサンタクロース【箱崎星梨花、三浦あずさ】
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4: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:41:37.23 ID:J1wXT9tF0
「おそいぞー、おんちのおにいちゃん!」

「ぜぇ・・・はぁ・・・!ちょ、ちょっと待ってくれって」

子供というのは、その小さな体にどれだけのエネルギーを溜め込んでいるのだろう。
以下略 AAS



5: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:42:42.01 ID:J1wXT9tF0
「あの男の子、最近施設に入ってきた子みたいですよ。職員の方も言いにくそうでしたけど、その・・・ご両親が事故で亡くなられたらしくて」

「・・・そうだったんですね〜。それで、あれだけ塞ぎ込んで・・・」

夜も更けた都内、助手席に座るあずささんは難しい顔をして考え込んでいた。
以下略 AAS



6: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:43:27.98 ID:J1wXT9tF0
次の週末、俺達は再度施設を訪れていた。

「せりかおねーちゃん、おうたうたってー!」

「うたってー!」
以下略 AAS



7: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:45:56.24 ID:J1wXT9tF0
冬の雨は憂鬱だ。
冷気を含んだ無数の雫は、じっとりとした寒さで肌を包んでいく。

「あっ・・・あずささん、今どこですか?・・・はい、そこなら劇場のすぐ近くですから、すぐ向かいますね」

以下略 AAS



8: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:46:36.85 ID:J1wXT9tF0
「あの子にとっては、今はまだ気持ちの整理をつける時間が必要なんです。なのに、無闇に干渉して、却って悲しい思いをさせてしまって。まだまだ大人になりきれていませんね、私も」

紡がれるその言葉には、微かな震えが伴っている。

「私には、もうどうすることも出来ないって、解っていますから。時間が解決してくれるのを黙って見守って・・・」
以下略 AAS



9: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:47:16.86 ID:J1wXT9tF0
「それに、今回は心強い味方がついていますしね」

眩しい陽の光に目を細めながら劇場の方を見やると、フワフワのツインテールを揺らしながら、一人の少女が駆け寄ってくるのが見えた。

「プロデューサーさん!あずささん!」
以下略 AAS



10: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:47:51.12 ID:J1wXT9tF0
都市の街灯りから離れると、星はより鮮やかに見える。
普段仕事帰りに見るものとはまた違う満天の星空。
それを見上げる背後の車中からは、艶めかしい衣擦れの音が聞こえている。
理性を保つために大きく息を吐くと、三ツ星の隣に形作られた三角形を、白い霧が覆い隠していった。
やっぱりTシャツの上にサンタの衣装だけだと寒いなぁ。
以下略 AAS



11: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:48:27.83 ID:J1wXT9tF0
「いいですか、あずささん。トナカイの星梨花と箱崎さんが部屋に入ってから、サンタの俺達が颯爽と登場する、って段取りです」

「分かりました〜」

意気込んで漏れ出た鼻息が、あずささんの顔を覆う大きな髭を揺らす。
以下略 AAS



12: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:49:00.97 ID:J1wXT9tF0
「あ、あらあら〜」

隣で狼狽えるあずささんを見ると、着ていたサンタ衣装のボタンの上から3つがはじけ飛んでいた。
拘束から解放されてサンタ衣装からはみ出ているそれは、Tシャツ越しでも圧倒的な存在感を放っている。
す、すげえ・・・
以下略 AAS



13: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:51:00.35 ID:J1wXT9tF0
「すいません、あずささん。グダグダになってしまって・・・俺がもっとちゃんと準備していれば良かったんですが・・・」

「いえいえ、結果的に笑顔に出来たんですから、一緒に誇りましょう」

いつも通り星梨花を囲む子供達の笑い声に、聞き慣れない声が一つ加わっていた。
以下略 AAS



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