【ミリマスSS】あわてんぼうのサンタクロース【箱崎星梨花、三浦あずさ】
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11: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:48:27.83 ID:J1wXT9tF0
「いいですか、あずささん。トナカイの星梨花と箱崎さんが部屋に入ってから、サンタの俺達が颯爽と登場する、って段取りです」

「分かりました〜」

意気込んで漏れ出た鼻息が、あずささんの顔を覆う大きな髭を揺らす。
髭を付けていてもこんなに可愛いとは、すごいなこの人は。
それにしても、あずささんのサンタ衣装、なんかボタンで留められた胸元がきつそうだな。
もっと大きいのを用意した方が良かっただろうか。

「星梨花と・・・箱崎さん。盛り上げ役、お願いします」

「はい♪」

「うむ」

星梨花は極めて朗らかに、箱崎さんは真剣な表情で応えてくれた。
談話室というプレートがかけられた扉の窓から部屋の中を覗くと、色とりどりに飾られたもみの木を中心に、子供達の沢山の笑顔が咲いている。
そこから距離を取って、男の子が一人、部屋の隅っこで浮かない顔をしていた。
赤と緑で彩られた三角帽子が、かえって哀愁を漂わせる。

「・・・パパ、がんばろうね!」

「うん、そうだな」

聖夜の祝宴には不釣り合いなその姿を見ながら、星梨花は胸の前でグッと拳を握りこむ。
箱崎さんも、それに真剣に応えていた。

「じゃあ、行ってきます!」

元気なかけ声とともに、星梨花と箱崎さんが部屋の中へ飛び込んでいく。

「「メリークリスマス!」」

鈴の音が鳴るような可愛らしい声と、威厳を感じさせる野太い声。
正反対な声質が合わさったものだったが、不思議としっくりくるかけ声だった。

「今年一年を良い子で過ごしたみんなのために、今日はサンタさんが駆けつけてくれました!」

星梨花の合図で、俺とあずささんも部屋へ飛び込んでいく。

「メリークリスマス!」

「メリークリスマス〜♪」

・・・やっべ、あずささんと合わせるにはちょっと早口過ぎたかも。

「・・・!?」

まあ、例の男の子はびっくりしてくれているみたいだから、よしとしよう。
あの様子を見るに、顔を髭で覆い隠したおかげで、サンタの正体が俺とあずささんであることはバレていないようだ。

「さて、良い子の皆にプレゼントを配るとするかの」

「全員分あるから、ちゃんと順番を守るんじゃよ〜」

サンタに扮するあずささんが、俺が背負ってきた白い大きな袋を探り出す。
よしよし、順調だ。
このままいけば・・・
そう思った矢先だった。

「きゃっ」

色っぽい悲鳴とともに、プチンという音。
そのすぐ後に、小さな何かがガラス窓に当たる音が響いた。


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