【ミリマスSS】あわてんぼうのサンタクロース【箱崎星梨花、三浦あずさ】
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4: ◆p1Hb2U6W8I[sage saga]
2021/12/24(金) 21:41:37.23 ID:J1wXT9tF0
「おそいぞー、おんちのおにいちゃん!」

「ぜぇ・・・はぁ・・・!ちょ、ちょっと待ってくれって」

子供というのは、その小さな体にどれだけのエネルギーを溜め込んでいるのだろう。
ワイシャツ姿で息を切らす俺は、朝早くから元気に駆け回るこの子達に翻弄され続けていた。
こ、これはワイシャツも脱いだ方が良さそうだな・・・

「プロデューサーさん、頑張ってください〜♪」

あずささんは、小さな女の子達に囲まれながら俺を応援してくれていた。
なんか、家族みたいでいいな、なんて思うのは我ながら浮かれすぎかもしれない。
星梨花も鬼ごっこに参加しているはずなのだが、そういえばさっきから姿が見えないな。
そんなことを思いながら辺りを見回してみると、施設の建物の陰で、星梨花が一人の男の子と向き合っているのを見つけた。
5歳くらいだろうか?
その男の子は、はしゃぐ他の子達から離れて、一人寂しく物陰にしゃがみ込んでいた。
ワイシャツを脱いでTシャツ姿になりながら、ゆっくりと近づいていく。

「ねえ、君もいっしょに遊ばない?」

ニッコリという擬音が聞こえてきそうな程朗らかな笑顔で、星梨花が男の子に話しかける。

「・・・」

大抵の人はこの笑顔ですぐに絆されて表情を和らげるのだが、その男の子は星梨花を一瞥して、すぐにしかめっ面のままそっぽを向いてしまった。

「えーと・・・」

その様子に、さすがの星梨花も困っている様子だった。

「・・・そこでジッとしていたら寒いだろ?こっちで遊ぼうよ、な?」

「・・・」

出来る限り柔らかい口調で俺も話しかけてみたが、やはり男の子は返事すらしてくれない。
そして、俺を一瞥して、

「・・・へんなシャツ」

というセリフを残して去っていってしまった。
お、俺考案のチュパカブラなりきりTシャツが変とな・・・!?

「あっ・・・」

去っていく男の子の背中を、星梨花は悲しそうな目で見つめていた。
あずささんも、遠くから心配そうにこちらを窺っている。
うーん・・・あの男の子の頑なさ、何か事情があるのだろうか。


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