34:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:07:18.22 ID:W5lmC8VA0
曰く、藍子ちゃんが所属する346プロの中でも、有数の気ぃ遣い屋さんなんだとか。
今回の件も、そんなに仕事が多くない藍子ちゃんのために、フレデリカちゃんなる子は機会を譲ってあげたみたい。
私はもう一度、この子をからかってみようと思った。
この子がムキになるのを見れたら、この子の底が分かるから。
35:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:08:01.33 ID:W5lmC8VA0
「それは、義務感? あるいは……」
また、私の中のモヤモヤが燻りだす。
「……使命感?」
36:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:10:11.19 ID:W5lmC8VA0
次の日のレッスンを終えた後も、藍子ちゃんとした話がずっと頭から離れずにいた。
普段の私なら、バテて一度や二度は中断する時があるのに、なぜか今日はスムーズにこなせたのを覚えている。
とうの私は、上の空だったのに。
37:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:12:07.96 ID:W5lmC8VA0
「……そんなに気にするような事でもないか」
私は天井を見上げ、ほぅっと息をついた。
38:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:14:18.39 ID:W5lmC8VA0
「……おっ」
入ってきたのは、案の定魔法使いさんだった。
私を見てちょっと驚いた彼に対し、咄嗟にカメラを向けてシャッターを押す。
39:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:17:32.55 ID:W5lmC8VA0
「う〜ん」
何かはあるんだけど、それを言語化できずにいる。
それを彼に悟られるのは何となくバツが悪くて、私は曖昧な返事でお茶を濁した。
40:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:19:47.67 ID:W5lmC8VA0
「よし、間に合ったか」
振り向くと、魔法使いさんがやけに力のこもった様子で頷いていた。
「この番組、好きなんだ。
41:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:22:53.93 ID:W5lmC8VA0
『コンニチワー☆』
『フレデリカさん、今日は聞きたい事があります。
最近、とある事がどうしても気になってしまうあまり、夜しか眠ることができません』
『夜眠れるのは別に普通じゃない?』
『フレデリカさん、唐突にマジレスすんのビックリするからやめて』
42:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:25:07.65 ID:W5lmC8VA0
「面白いだろ?」
後ろから、魔法使いがクックッと笑う声が聞こえる。
「ごめん、ちょっと話しかけないで」
43:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:28:38.76 ID:W5lmC8VA0
『あー、昔のキリンさんは、今ほど首が長くなかったんだ?』
『そうそう!
たぶんパパが子供の頃、買ってもらった風船が高い所に引っかかっちゃって、
うぇーん、ダディー、風船が飛んでっちゃったよー、って泣いても、その時のパパのパパは首が長くなくて、
おぉぉマイサン、すまない、私ではどうすることもできないのだよ、なんて』
44:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:30:38.97 ID:W5lmC8VA0
『あっぶなぁ〜。咄嗟にあたし渾身の激寒ギャグを出しちゃったわぁ〜』
『あ、そっかー☆ これ言っちゃいけない話だったね、ゴメンゴメン』
『フレちゃん、そんな話よりも美嘉ちゃんのさ、この間のファミレスの話でもしたらどう?』
『えっ、ミカちゃん?』
『ほら。タバスコモリモリのピザを志希ちゃんに食べさせられて、お婆ちゃんみたいな喋り方になった話』
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