37:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:12:07.96 ID:W5lmC8VA0
「……そんなに気にするような事でもないか」
私は天井を見上げ、ほぅっと息をついた。
どうせ近いうちに、私はアイドルを辞めるのだ。
私には、私の代わりにアイドルを謳歌してくれる千夜ちゃんさえいれば、それでいい。
訳の分からないことにいちいち思い煩うなんて、私らしくないなぁ。
いけないいけない。
気分を紛らわそうとスマホを取り出すと、ふとカメラアプリが目に入った。
「…………」
買い換えてから2年近く経つ。
けれど、この間藍子ちゃんから借りたトイカメラよりも、この内蔵カメラはずっと高性能なんだろうな。
おもむろに起動し、何となしに部屋のあちこちにレンズを向けてみる。
撮りたいものなんて無い。だけど――。
藍子ちゃんなら、この部屋の中でも、彼女なりの幸せを見つけることができるのかなぁ。
と、スマホを構えながらボンヤリしていた時、ガチャッと部屋の扉が開いた。
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