34:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 18:07:18.22 ID:W5lmC8VA0
曰く、藍子ちゃんが所属する346プロの中でも、有数の気ぃ遣い屋さんなんだとか。
今回の件も、そんなに仕事が多くない藍子ちゃんのために、フレデリカちゃんなる子は機会を譲ってあげたみたい。
私はもう一度、この子をからかってみようと思った。
この子がムキになるのを見れたら、この子の底が分かるから。
「競争が苦手な藍子ちゃんにとって、フレデリカちゃんのそれは“優しさ”だったのかなぁ?
ひょっとして、藍子ちゃんを余計に困らせたかっただけだったりして♪」
きっと、自分の事ではなく、親しい人を侮辱される方が、藍子ちゃんは怒るだろう。
人の心の器は、その人が許容できない怒りの度量を超えた時、その形や大きさが初めて分かる。
私の持論だけど、怒りはいつだって、人の本気を表すバロメーターなのだ。
「いいえ」
それでも、藍子ちゃんは穏やかに、そして真っ直ぐに私に答えた。
「フレデリカさんは、相手を嫌な思いにさせてやろうって考える人ではありません。
私は……いつもイマイチな私だけど、今度のオーディションは、フレデリカさんのためにも、頑張らなくちゃって思うんです」
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