42:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:16:45.92 ID:XnGtX3Tv0
「あらら……もうバレちゃいましたか」
「茄子さん、どうするのでしてー?」
43:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:20:22.70 ID:XnGtX3Tv0
しかし黒煙の向こう側、周子という妖の規格を知らなかった。
面倒な攻撃ではあるが致命傷には至らないこれらの紙切れを耐えながら、周子の意識は眼前の二人……ではなくもう一人に向けられる。
当初茄子と芳乃しかいないと判断していた周子であったが、先ほどの式神の挙動で“もう一人術者が潜んでいる”と確信した。
44:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:21:41.50 ID:XnGtX3Tv0
「空間を解きや、そしたら命までは取らん」
「あらら、せっかくいい部屋用意したのに付き合ってくれないの?お堅い女じゃ想い人にも逃げられちゃうぞ?」
45:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:26:22.82 ID:XnGtX3Tv0
巨大な黒い狐。
一言で形容すればそうなるだろう。
かつて紗枝が見惚れた美しき姿はすでにそこにない。
周子はその姿を産み落とされたその当時のそれに切り替えた。
46:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:28:08.02 ID:XnGtX3Tv0
気配がした。
空間の境が一瞬揺らぎ、何者かが入ってきた。
場所は……上、天井から。
47:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:31:45.77 ID:XnGtX3Tv0
「皆さんもう結界を解いて大丈夫ですよ、あとは私が」
楓の言葉に甘えて結界を解くと同時に周囲の空間が元通りの現実のそれが現れる。
周囲には大勢の衛兵達が周子の逃げ道を塞がんと構えていたが、周子としてはそんな者共はどうでもよかった。
48:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:34:40.34 ID:XnGtX3Tv0
楓は避けるどころか飛びかかる周子に向かって迎え撃つように飛び出した。
迫る黒炎に表情一つ変えることなく手を伸ばし、その手に触れると炎はたちまち雲散霧消した。
それは防いでいるのではなく“無かったことにしている”かのように。
49:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:36:06.50 ID:XnGtX3Tv0
◆
50:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:37:47.98 ID:XnGtX3Tv0
「あれ、なんか機嫌悪い?……もしかしてお腹すいてるー?」
「あぁ、食ったろうか?」
51:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:42:57.43 ID:XnGtX3Tv0
術の神聖視。
神々から術を授かり
その神々とは決別し
神々への信仰を捨てながら
52:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:44:15.15 ID:XnGtX3Tv0
「術を壊すことなしに砕いて混ぜたんか、或いは鉄粉一つ一つに術掛けてから鋼に鍛えたんか……どちらにしてもえらい器用なことするなぁ、こんなん初めて見たわ」
「でしょー?ざいりょーかがくは専門じゃないけど志希ちゃん今日のためにこっそり頑張ったのでしたー!」
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