47:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:31:45.77 ID:XnGtX3Tv0
「皆さんもう結界を解いて大丈夫ですよ、あとは私が」
楓の言葉に甘えて結界を解くと同時に周囲の空間が元通りの現実のそれが現れる。
周囲には大勢の衛兵達が周子の逃げ道を塞がんと構えていたが、周子としてはそんな者共はどうでもよかった。
目的はただ一つ、紗枝を連れていくこと。
周子は立ちふさがるこの女、悠長にも自己紹介を始めているこの楓と名乗る女皇に意識を向ける。
先ほど珍妙な術で濁流を消し去って見せたことには驚愕したが、そんなものはどうでもよかった。
気配からして他の者よりもできるであろうことは感じ取れたがそれもまたどうでもよかった。
ただ紗枝を救い出せれば他はどうでもいいのだ。
道中の有象無象は邪魔だったから払いのけた、その結果それらは死んでしまっただけだ。
紗枝の運命をそれでよしとした人間共への怒りはあったが戦って勝とうだの殺そうだのは最初から考えていない。
ただ腹立たしいので急ぐにあたって殺さない配慮をしなかっただけだ。
その結果死に損なった者がいても追い討とうとは思わない。
「あの子を返せ。道を空け。そしたら命までは取らん」
「……それは聞けない相談です」
「そうか」
それ以上の言葉は無用。言い終わると同時に周子はその四肢で床を踏み砕き楓を消し飛ばさんと飛びかかる。
結果死んでしまうかもしれないが殺意を元にした工夫など凝らさない。
ただこの女が道を譲らぬつもりらしいので、今後物理的な邪魔にならないように消炭になってもらうだけだ。
その程度の炎を吐き出し突進した。
これが間違いだった。
周子を押し留めるべく式神を浴びせた茄子と芳乃然り
別空間に周子を閉じ込め回避を繰り返し時間を稼ごうとした心然り
相手の力量や性質を知らないと確実と思われた手段があっさりと無に帰すことになりかねない。
そしてそれは周子にとっても同じであった。
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