38:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:06:43.15 ID:XnGtX3Tv0
目指すは紗枝が今住み込んでいる御所……ではなく紗枝の実家だ。
まずは情報収集だ。
良くも悪くも御所は御所、それなりの警備をしている。
39:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:09:09.75 ID:XnGtX3Tv0
「誰や!?」
「!」
40:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:12:57.20 ID:XnGtX3Tv0
晴天の如き平穏を保つはずの御所に霹靂が突き刺さった。
天からではなく地を疾るそれは外壁をぶち抜き点在する屯所を弾き飛ばし回廊を庭ごと抉り取る。
ただ紗枝の元へ一刻も早くたどり着く。
それ以外の事を埒外としながらも紗枝の宿命を押し付けた者共への怒りが溢れ出す。
41:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:14:43.68 ID:XnGtX3Tv0
……おかしい
紗枝のいる方向は分かっている。
42:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:16:45.92 ID:XnGtX3Tv0
「あらら……もうバレちゃいましたか」
「茄子さん、どうするのでしてー?」
43:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:20:22.70 ID:XnGtX3Tv0
しかし黒煙の向こう側、周子という妖の規格を知らなかった。
面倒な攻撃ではあるが致命傷には至らないこれらの紙切れを耐えながら、周子の意識は眼前の二人……ではなくもう一人に向けられる。
当初茄子と芳乃しかいないと判断していた周子であったが、先ほどの式神の挙動で“もう一人術者が潜んでいる”と確信した。
44:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:21:41.50 ID:XnGtX3Tv0
「空間を解きや、そしたら命までは取らん」
「あらら、せっかくいい部屋用意したのに付き合ってくれないの?お堅い女じゃ想い人にも逃げられちゃうぞ?」
45:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:26:22.82 ID:XnGtX3Tv0
巨大な黒い狐。
一言で形容すればそうなるだろう。
かつて紗枝が見惚れた美しき姿はすでにそこにない。
周子はその姿を産み落とされたその当時のそれに切り替えた。
46:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:28:08.02 ID:XnGtX3Tv0
気配がした。
空間の境が一瞬揺らぎ、何者かが入ってきた。
場所は……上、天井から。
47:名無しNIPPER
2020/05/05(火) 20:31:45.77 ID:XnGtX3Tv0
「皆さんもう結界を解いて大丈夫ですよ、あとは私が」
楓の言葉に甘えて結界を解くと同時に周囲の空間が元通りの現実のそれが現れる。
周囲には大勢の衛兵達が周子の逃げ道を塞がんと構えていたが、周子としてはそんな者共はどうでもよかった。
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