白雪千夜「足りすぎている」
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170:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 16:57:18.10 ID:1/ZkFkMM0
「レッスンのことであれば、気に病む必要はありません」

 嫌味も抑揚もまったく感じられないトーンのまま、コイツは続ける。

「もちろん、望ましいことではありませんが……
以下略 AAS



171:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 16:59:33.38 ID:1/ZkFkMM0
「知った風なことを」
 私は小さくため息をついて窓の外へ顔を背けた。

「お前は、私がどれほどお嬢様のことを案じているか、分かっていないのです」

以下略 AAS



172:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:03:14.33 ID:1/ZkFkMM0
 いつの間にか凝視していた私の視線に、チラッと送ってきたコイツの視線が一瞬だけ絡んだ。

「私だけでなく、シンデレラプロジェクトの皆も、よく分かっています。
 白雪さんが黒埼さんの事を、とても大切に思われていることを」

以下略 AAS



173:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:06:42.70 ID:1/ZkFkMM0
「……えっ!?」

 なぜ!?
 お嬢様ご自身の誕生日だ。お祝いされる側がホストに徹するのはおかしい。
 というより、私やアーニャさんだけでなく、一緒に向かっているコイツの分もか!?
以下略 AAS



174:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:08:23.56 ID:1/ZkFkMM0
 すっかり見慣れた門が自動で開き、ゆったりと開けた車寄せにコイツの運転する車が滑らかに吸い込まれていく。

「今日はどうか、黒埼さんのお話に、耳を傾けてあげてください」


以下略 AAS



175:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:14:00.18 ID:1/ZkFkMM0
 ゆっくり話をする間もなく、お嬢様は「準備があるから」と、私達をリビングに案内した後、そそくさと台所へ引っ込んでしまった。

 意味ありげにアーニャさんやアイツと目配せをしていた辺り、この場にいる人達は、おじさまも含め、予め今日のことを了解していたように見える。

 皆が申し合わせていたのは、ひょっとして私のことだったのではないか――そのような考えは、果たして飛躍だろうか。
以下略 AAS



176:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:16:15.42 ID:1/ZkFkMM0
 お嬢様は、そこまで私のことを――。

 今日、どんな顔をしてお嬢様とこれから話をするべきか気を揉む私を尻目に、コイツは首を振った。

「他社さんと協働で開催するフェスの場合は、ライブバトルと称し、観客の方々からの投票形式によって、その出来を競い合うこともあります。
以下略 AAS



177:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:19:25.86 ID:1/ZkFkMM0
「それなら良かった」

 そうとも知らず、おじさまは椅子の背にもたれ、ふぅと息を吐いた。

「私はてっきり、ちとせと千夜が仕事の関係で喧嘩でもしたのかと心配で」
以下略 AAS



178:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:24:04.28 ID:1/ZkFkMM0
「アー……それは、ごめんなさい」
「あぁいやいや、謝らなくて大丈夫だよ」

 アーニャさんを慰めるように、おじさまが言葉を続ける。

以下略 AAS



179:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:27:39.21 ID:1/ZkFkMM0
 ただ、と言って、おじさまは努めて明るい調子で話を続ける。

「円満離婚、と言えば良いのかな。彼女も経営者なだけあるから、聡明かつ理知的でね。
 話し合いはすこぶる建設的に進みました。もちろん、ちとせのために我々ができる最善策についてです。
 結果として、親権は私が預かりましたが、彼女に面会の制限は設けていません。いつでも遊びに来てほしいと言ってあります」
以下略 AAS



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