175:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 17:14:00.18 ID:1/ZkFkMM0
ゆっくり話をする間もなく、お嬢様は「準備があるから」と、私達をリビングに案内した後、そそくさと台所へ引っ込んでしまった。
意味ありげにアーニャさんやアイツと目配せをしていた辺り、この場にいる人達は、おじさまも含め、予め今日のことを了解していたように見える。
皆が申し合わせていたのは、ひょっとして私のことだったのではないか――そのような考えは、果たして飛躍だろうか。
アーニャさんと私、アイツが並んで席に着き、おじさまが向かいに座る。
ひたすらに冷えた今日の天気のことなど、しばらく談笑したのち、ようやくおじさまが核心に迫りそうな話を切り出した。
「ちとせと千夜が、今度、346プロさんのフェスというものに出場すると聞きました」
アイツは頷いた。
「弊社は年に二回、夏と冬に、ファンの方々向けの感謝祭と称して、フェスを開催します。
ちとせさんと白雪さんだけでなく、こちらのアナスタシア他、弊社の精鋭並びに新進アイドル達が揃い踏みする、一大イベントです」
「聞くところによると、ちとせと千夜は、別のプロジェクトというものにそれぞれ所属していると」
おじさまがテーブルの上で両手を組み、少し身を乗り出した。
「何と言いますか……ちとせが今日、千夜に勝ちたいと、よく言っていたもので……
その、二人が何か戦うとか、競争するようなイベントだったりするのでしょうか?」
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