白雪千夜「足りすぎている」
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171:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 16:59:33.38 ID:1/ZkFkMM0
「知った風なことを」
 私は小さくため息をついて窓の外へ顔を背けた。

「お前は、私がどれほどお嬢様のことを案じているか、分かっていないのです」


「……白雪さんには、お話していなかったかと思いますが」

 車はようやく山道に入った。

 今日は、季節外れの寒波が関東を直撃するという。
 ひょっとすると、山間部は雪が降るかも知れない。


「私は、自分の担当アイドルを潰したことがあります」


 身体が強張ったは、悪路のせいじゃない。
 後部座席で、アーニャさんが小さく声を上げたのが聞こえた。

「自分のエゴを押しつけ、苦しめた……もう二度と、担当アイドルに同じ事はするまいと、心に誓いました」



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