白雪千夜「足りすぎている」
1- 20
16:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:15:54.76 ID:QXbKSZYO0
 食事を終え、テーブルの上を片付ける。
 男は私に、「ごちそうさまでした」と丁寧に頭を下げた。

「とても美味しかったです。
 よく利用する洋食屋で食べるものよりも、繊細な味付けと食感で、非常な手間暇を感じさせるものでした」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:17:22.71 ID:QXbKSZYO0
 なるほど。
 お互い車で移動していたはずのお嬢様方と男が、ここに来るまでどう接触をしたのか不思議だったが、そういうことか。

 同時に、そうまでして私をアイドルにしたかったのかという、お嬢様の強い意欲を感じる。

以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:18:57.19 ID:QXbKSZYO0
「ちとせは言いくるめられたのではない、千夜。私も一緒にいたのだから」

 返答に窮した男に、助け船を出したのはおじさまだった。

「この子がそう考えたように、私もお前に、アイドルなるものを志しても良いのではと思ったのだよ。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:20:23.12 ID:QXbKSZYO0
 話を聞くと、男の芸能事務所――346プロダクションには、事務所が有する女子寮がその敷地内にあるらしい。
 地方から上京するアイドル達の生活を支援するものであり、大手故にセキュリティも、万が一の医療体制も万全。
 これまで探してきた都内のどの物件よりも、今後の私達に理解のある住まいとなるのは明らかだった。
 4月から通うことになる学校にも、電車で二駅ほどしか離れていないらしい。

以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:22:33.10 ID:QXbKSZYO0
 ――そっと、お嬢様のお顔を覗ってみる。

 お嬢様は、何も言わずにニコニコと笑ったままだった。


以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:23:56.46 ID:QXbKSZYO0
「そうは言っても、私はあなたが導いてくれることを期待しているよ?」

 テーブルに肘をのせ、悪戯っぽくお嬢様が微笑みかける。

「プロジェクトの名が示すとおり、千夜ちゃんをお姫様にしてあげてね、魔法使いさん♪」
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:25:14.44 ID:QXbKSZYO0
 ふと、言葉を止めた。
 今の私には、考えることが一つだけある。

 対等――従者として生きてきた私には、対等といえる立場の相手が久しくいなかったことに気がついた。
 そういった者には、どう呼称するのが一般的なのか。
以下略 AAS



23:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:31:50.54 ID:QXbKSZYO0
   * * *

「ほっ! お、やっ……とぉ! ほぁ!」
「未央」
「ふんわぁぁっ!?」
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:35:53.67 ID:QXbKSZYO0
 シンデレラプロジェクトには、総勢15人のアイドル候補生がいる。
 元々は14人で構成される予定だったが、急遽増員が決まったらしい。

 その増員枠に、収まったのは私。
 お嬢様はというと――。
以下略 AAS



25:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:46:46.09 ID:QXbKSZYO0
 あてがわれた女子寮は単身用であり、お嬢様と私の部屋は隣同士にしてもらえた。
 もはやお決まりのように、お嬢様は私の部屋に入り、ニコニコしながら今日の出来事を聞き出そうとする。

「今日は、本田さん、渋谷さん、島村さんと一緒でした。
 ボーカルレッスン、ダンスレッスンをそれぞれ2時間ほど受け、私へのトレーナーの評価は、可も無く不可も無くといったところです」
以下略 AAS



301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice