白雪千夜「足りすぎている」
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24:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:35:53.67 ID:QXbKSZYO0
 シンデレラプロジェクトには、総勢15人のアイドル候補生がいる。
 元々は14人で構成される予定だったが、急遽増員が決まったらしい。

 その増員枠に、収まったのは私。
 お嬢様はというと――。

「ちとせさんは、その後、身体の調子は大丈夫なんですか?」

 昨日のレッスンで倒れたお嬢様の容態を、島村さんが心配してくれる。
 その表情を見ると、彼女の気持ちに嘘や打算がないことはよく分かる。 

「お嬢様でしたら、ご心配にはおよびません。
 あの程度であれば、それなりの頻度でよくある事です」
「いや、言うほどそれ大丈夫じゃなくない? ちよちー」

 本田さんの言うとおり、確かに大丈夫とは言いがたい。
 とかく華やかで俗な印象を連想させるアイドルというものが、こうも泥臭いトレーニングを強いられるものとは知らなかった。

 事前に教えなかったアイツにも落ち度があるが――私が予め把握しておくべきことだった。
 アイツは、お嬢様の体力が一般的な候補生と同等だと捉えていたのだろう。
 一概に責めるのは筋が違う。

 私が従者の務めを果たせなかったことを悔やむ一方、お嬢様は毎日毎日、実に愉しそうにされている。


「今日はどんなレッスンがあったの? 誰と一緒だった?」



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