白雪千夜「足りすぎている」
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16:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 21:15:54.76 ID:QXbKSZYO0
 食事を終え、テーブルの上を片付ける。
 男は私に、「ごちそうさまでした」と丁寧に頭を下げた。

「とても美味しかったです。
 よく利用する洋食屋で食べるものよりも、繊細な味付けと食感で、非常な手間暇を感じさせるものでした」
「お世辞は要りません」

 紅茶を出し終えて、私はおじさまとお嬢様に向き直った。

「経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか」

「まぁ落ち着いて。座ろうよ、千夜ちゃん」

 お嬢様に促され、黙って従う。
 その様子を見た男が、どこか得心したように小さく頷いたのが視界の端に見えた。


「私も、この人から名刺をもらっていたからね。
 千夜ちゃんとの話し合いがどうなったか、気になってこの人の携帯電話にかけてみたの」



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