白雪千夜「足りすぎている」
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138:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:04:25.67 ID:1/ZkFkMM0
「チヨ……アーニャは、日本人です」

 ?
 ――え、そこから?

以下略 AAS



139:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:10:27.66 ID:1/ZkFkMM0
「……確かアーニャさんは、幼少期はロシアで過ごされたと」
「ダー」

 彼女が日本語を自在に扱いきれない理由の一つは、それだ。

以下略 AAS



140:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:15:45.94 ID:1/ZkFkMM0
 アーニャさんは、私から視線を外し、手すりを掴んでその先を見つめた。
「一人ぼっち……小樽で運河を、ボーッと眺めていたアーニャに、声を掛けてくれた女の子がいました」

「小樽、ですか……」
「ダー♪」
以下略 AAS



141:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:19:34.71 ID:1/ZkFkMM0
「それは、何よりです」
「アーニャの、恩人です。
 あの子にもらった明るい、優しい心を、アーニャはずっと、大切にしています」

 ――――。
以下略 AAS



142:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:21:52.35 ID:1/ZkFkMM0
 驚く私を見て、アーニャさんはクスッと笑った。

「スパシーバ、チヨ。
 でも、人を疑うより、信じる方が、楽しいですね?」

以下略 AAS



143:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:25:10.11 ID:1/ZkFkMM0
「お嬢様を、応援……」

 アーニャさんは頷いた。

「チヨの言うこと、分かります。
以下略 AAS



144:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:27:26.68 ID:1/ZkFkMM0
 合い鍵を使って部屋に入ると、奥に向かう廊下は真っ暗だった。
 電気をつけ、居間へと進むと、お嬢様は座椅子に腰を下ろし、背の低い丸テーブルに顔を埋めて眠っていた。

「お嬢様……」

以下略 AAS



145:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:29:32.97 ID:1/ZkFkMM0
 やはり、綺麗なお顔をされていると、改めて思う。
 こんなご無理をなさらずとも、お嬢様は十分美しい。

 ふと、アーニャさんの言葉を思い出した。
 お嬢様のフェスに向けた努力は、美城常務からの一方的な指示だけでなく、お嬢様ご自身が望んで決めたことであると。
以下略 AAS



146:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:33:41.43 ID:1/ZkFkMM0
 本州の、とりわけ雪とは無縁の地域に住む人がよく誤解をするのは、雪国は空気が乾燥することはないのではないか、ということだ。
 雪という水分にあれだけ覆われているのだから、本州と比べれば、空気には湿気があるのではないかと。

 しかし、そうではない。
 本州の雪と北海道の雪は、大きくその性質が異なる。
以下略 AAS



147:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 15:36:51.50 ID:1/ZkFkMM0
 お嬢様は、何をご覧になっていたのだろう。


 無粋な真似とは思いつつ、リモコンを操作して音を消し、巻き戻して再生ボタンを押した。

以下略 AAS



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