122:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:08:45.35 ID:1/ZkFkMM0
「にゃはははー♪ ちとせちゃん、騙されたと思ってあーんして、あーん」
「えぇー? それ、ヘンなの入ってるでしょう」
お嬢様が横たわるベッドに、数人が群がっている。
123:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:10:50.82 ID:1/ZkFkMM0
「あなたは確か……白雪千夜、だったかしら」
「速水奏さん、ですか」
「シンデレラプロジェクトの人に名前を覚えてもらえているなんて、光栄ね」
124:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:14:45.05 ID:1/ZkFkMM0
お嬢様は、お身体が決して強い方とは言えない。
事実、これまでにも346プロのレッスン中に倒れてしまったことは何度もある。
私は、部屋にいる他の人達を見返した。
睨みつけたと言っても良い。
125:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:20:16.91 ID:1/ZkFkMM0
「き、気にしないで、って……!」
お嬢様の無理な相談は今に始まったことではない。でも、今のはあまりに――!
「やはり君か、黒埼ちとせ」
126:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:22:39.65 ID:1/ZkFkMM0
「君は?」
私の存在に気づいた常務が、顔をこちらに向けた。
「白雪千夜と申します。シンデレラプロジェクトに所属しています」
「名前は知っている。なぜ君がここに来ている」
127:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:26:54.75 ID:1/ZkFkMM0
「……どういうことですか?」
話の趣旨がつかめないでいると、何がおかしいのか、猫のような笑い声を上げながら一ノ瀬さんが部屋の中央に躍り出た。
「犬が飼い主側をランク付けしていることがよく話題になるように、動物っていうのは何かにつけて順位を付けなきゃ気が済まないんだって。
128:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:30:09.85 ID:1/ZkFkMM0
「……申し訳ございません。不勉強で」
「うっそ、オーバーランク知らん?
ははぁ〜、あたしも自慢できたもんじゃないけど、千夜ちゃんも存外マイペースだねー。まぁいいや」
ケラケラと愛想良く笑って、塩見さんは続ける。
129:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:32:13.59 ID:1/ZkFkMM0
「そう、だから」
城ヶ崎美嘉さんが、言葉を継いだ。
「アタシ達も、本当はちとせさんが無茶をするのは、黙って見てられないの。
130:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:34:47.02 ID:1/ZkFkMM0
何が労働環境の改善だ。
確かに常務は「無茶をするな」と言うだろう。
だが、無茶をしなければ到達できないレベルを要求されていたのでは、使われる側のやるべき事は変わらない。
その結果、仮にその者が潰れたとしたら、経営者は「それを命じた覚えは無い」「勝手にやったことだ」と言い逃れる寸法だ。
131:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:42:44.44 ID:1/ZkFkMM0
「チヨちゃん、ギューン☆」
「うひゃあ!?」
急に抱きつかれ、後ろを振り返ると、宮本さんだった。
いつの間に背後に回ったのか、この人は。
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