124:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:14:45.05 ID:1/ZkFkMM0
お嬢様は、お身体が決して強い方とは言えない。
事実、これまでにも346プロのレッスン中に倒れてしまったことは何度もある。
私は、部屋にいる他の人達を見返した。
睨みつけたと言っても良い。
「あははは、あのぉ〜……ち、千夜ちゃ〜ん、あんま怖い顔してると福が逃げるよー?
って、そういや初対面だよね。初めまして、LiPPSの色白担当です」
「存じています、塩見周子さん。
あなた方が今日、お嬢様と同じレッスンを受けていたことも」
ご自身だけでなく、お嬢様の周りの人間も、既にその体力の程は承知しているはずだ。
限界を見極められるだけの――行き過ぎたレッスンを止めるだけの条件は、優に揃っている。
「千夜ちゃん、ごめん……」
真っ直ぐな、それでいてひどく申し訳無さそうな声は、城ヶ崎美嘉さんだった。
シンデレラプロジェクトにおける私達の仲間、莉嘉さんの実の姉だ。
先日のサマーフェスでは、全体曲に入る前のMCを上手く行ってくれたこともあり、私達にとっても頼れる存在ではあった。
「本当なら、アタシ達がちゃんとちとせさんを止めなきゃいけない立場なんだけど……」
「ううん、いいの美嘉ちゃん」
ベッドの上で横たわるお嬢様が、優しく首を振った。
「千夜ちゃんには悪いけれど、これからも同じようなことが起きると思うから、気にしないでいいよ」
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