125:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:20:16.91 ID:1/ZkFkMM0
「き、気にしないで、って……!」
お嬢様の無理な相談は今に始まったことではない。でも、今のはあまりに――!
「やはり君か、黒埼ちとせ」
激昂する寸前だった私の背後、医務室の入口に立っていたのは、灰色のスーツを着た背の高い女性だった。
ウェーブがかった長髪を束ね上げ、真っすぐと、かつ豪然たる姿勢でその場に佇んでいる。
「私は君に無茶をしろと命じた覚えは無い。
レッスンを行う度に医務室の世話になるようでは、スタッフにとっても気が気で無くなるな」
「それは私が一番よく分かっていること。
今度のフェスで、私が結果を出さなくてはならないことも、ね」
「フン」
お嬢様との会話の内容と、その態度で察しがついた。
この人が、美城常務か。
アイドル事業部、並びにプロジェクトクローネの、総責任者――。
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20