【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:33:26.61 ID:oj63shz20
「わ、わたし……! あの、中学生の頃から夏葉さんの大ファンなんですけど、というか、この写真を見てファンになったというか……あ、それでその、そのですね。この前に彼に結婚を申し込まれて、この雑誌のこと思い出したら……そしたら、本物の夏葉さんがいて、びっくりしちゃって、サイン欲しくなっちゃって……えっと、だからその、そういうわけで……あ、あれ……?」
男性が半歩前に出た。女性と俺たちの間に入り、やや横向きに立つ。
「どうどう」
以下略
AAS
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:33:54.06 ID:oj63shz20
ひとしきりサインを堪能した後、女性のほうがおずおずと俺と夏葉を見比べた。
「どうしたの?」
「……こんなこと訊いていいのかな、ってホントは思うんですけど」
以下略
AAS
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:34:38.92 ID:oj63shz20
女性はきょとんとしていた。まさか自分なんかに憧れの人が何かを訊ねてくるなんて、といった顔だ。夏葉は普段通りの微笑だ。だが俺にはわかる。夏葉は自分の声が震えてしまわぬように、笑顔の下で神経を張り詰めていた。
「――アナタは、なぜ結婚しようと思ったの?」
夏葉が訊く。その問いかけに、女性は申し訳なさそうに縮こまった。
以下略
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:35:04.57 ID:oj63shz20
教会のある高台を降りて、海岸にある砂浜に出た。二人で並んで海を見ている。
ここが最後の目的地だ。この『デート』の目的地はいつも、どこかしらかの海と決めている。夏葉にとって海という場所は特別な場所だ。そして、同時に俺自身にとっても。
「……青いな」
「それは海のこと?」
以下略
AAS
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:35:34.15 ID:oj63shz20
「……もし、私がアイドルにならなかったとして」
夏葉が呟くように言った。
「アナタもプロデューサーにならなかったとして。それでいて、私たちが街中でふと出会えたとして」
「それで好きあったとしたら、か?」
以下略
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:36:28.17 ID:oj63shz20
俺はじっと考え込む。
やはり真っ先に考えたのは何ひとつ変わらない今現在だ。しかし、アイドルとプロデューサーでなければ、ふとしたきっかけで一線を越えて、結婚まで漕ぎ着けてしまう可能性。そんなものだってあるような気がしてくる。
だが無意味な夢想だ。俺はそう結論づけた。
「俺たちはアイドルとプロデューサーだよ。そうじゃない道はありえないし、その道こそが最良の道だったと……俺は信じている」
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:37:03.81 ID:oj63shz20
「……初めてファンの子に嫉妬したわ」
「あの女性にか」
夏葉は無言で頷く。頷いて、俺の服の袖を取り、下から覗き込むように視線をぶつけてきた。
「私は、アナタが好きよ」
以下略
AAS
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:37:48.05 ID:oj63shz20
◇
「穴の開いたバケツに水をためるには、一体どうすればいいでしょう?」
智代子がクイズ本を片手にそう言うと、果穂と樹里が眉間にしわを寄せ、凛世が首をかしげた。
以下略
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:38:30.66 ID:oj63shz20
「ち、ちからわざです……っ!」
「ち、ちからわざじゃねーか……」
二人の相似した反応に凛世は「ふふ……」と微笑を浮かべて、それから、クイズ本を受け取った。一度本を閉じて、無作為にいずれかのページを開く。一題ごとに出題者の役をまわしているらしい。
以下略
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:38:57.06 ID:oj63shz20
「アナタこそ、いいの?」
「夏葉と同じ意見だ。見ているだけで楽しいよ」
「……そう」
優しげな口調だった。穏やかな空気が流れていた。俺もなぜか夢心地な気分になって、まだなみなみと中身の入ったグラスを、軽く揺すってみたりする。
以下略
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◆/rHuADhITI
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2019/08/18(日) 02:39:43.25 ID:oj63shz20
これみよがしなシャッター音だった。前を向くと、デジカメを構えたはづきさんが立っている。もう一度シャッター音が鳴った。
「ふふふ〜、ナイスショットです〜」
「……急に撮らないでくださいよ、はづきさん」
以下略
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