【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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22: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:33:26.61 ID:oj63shz20
「わ、わたし……! あの、中学生の頃から夏葉さんの大ファンなんですけど、というか、この写真を見てファンになったというか……あ、それでその、そのですね。この前に彼に結婚を申し込まれて、この雑誌のこと思い出したら……そしたら、本物の夏葉さんがいて、びっくりしちゃって、サイン欲しくなっちゃって……えっと、だからその、そういうわけで……あ、あれ……?」

 男性が半歩前に出た。女性と俺たちの間に入り、やや横向きに立つ。

「どうどう」
「あ……ごめんなさい」
 男子が間を取り持つように半笑いをして、こちらに軽く頭を下げた。

「あー、俺たち結婚するんです。そしたら彼女が『結婚するなら夏葉さんみたいがいい』とこの雑誌を出してきまして。それで、いざここに来てみれば本物の夏葉ちゃんがいて、俺たちもびっくり仰天と言いますか」
「……サ、サインも」
「サインも欲しいそうです。お願いできますか?」

 男性がふたたび頭を下げた。釣られるようにして女性がオーバーなほどに深く頭を下げる。

「あ、でも、パッと何か書くものが……」
「大丈夫、持っているから」
 夏葉は雑誌を受け取ると、何処からともなくサインペンを取り出して、軽やかに自身の名前をアートにして書き入れた。

「ありがとうございます! 一生の宝物にしますっ!」
「ふふっ、どういたしまして」
「お、俺はこの手帳にいいですか?」
「もちろんよ」

 同じく夏葉は崩した字で『Natsuha Arisugawa』と手帳に書く。手帳を返されると、カップルの二人は無言と視線で喜びを分かち合っていた。二者の間だけにある浮いた気持ちを、微塵も隠そうとしていない。俺はそれを内心「若いな」と羨んでいた。



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