79: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:54:59.82 ID:OJA0wgUK0
結局は、彼の思惑通りには物事が進まなかった、という話だ。
そしてそれの直接的な原因になったのは、彼の独善的な感情――私に、「戻ってきてほしい」という言葉すら言えない、彼のちっぽけなプライドのせいだ。
80: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:55:39.35 ID:OJA0wgUK0
プロデューサーが顔を上げる。
彼の視線は、私を捉えている。
目が合う。
81: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:56:12.06 ID:OJA0wgUK0
☆
82: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:56:53.85 ID:OJA0wgUK0
83: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:57:25.42 ID:OJA0wgUK0
☆
84: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:57:54.55 ID:OJA0wgUK0
私はカフェの二人席に座っていた。
プロデューサーがどうしても観たい映画があるというので、それに付き合っていた。
上映後に映画館近くのカフェに寄って、プロデューサーが会計を済ませるのを席で待っていたのだった。
85: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:58:36.55 ID:OJA0wgUK0
「杏」
86: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:59:07.07 ID:OJA0wgUK0
――「緑色の空」の話、覚えてる?
87: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:59:47.57 ID:OJA0wgUK0
「大人はね、ずるいんだ」
88: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 03:00:19.79 ID:OJA0wgUK0
誰だって一度は、自分と他人の誰かが似ていると思ったことがあるはずだ。
でもそれは、無数にある自分の性質とその人の性質の中に、たまたま一致したものがあっただけだったりする。
そして、同じ時間を長く共有していればその分だけ、似ていると感じる部分が多くなるのだ。
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