81: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:56:12.06 ID:OJA0wgUK0
☆
初夏の夜はわずかに生ぬるい。
コートを着込むにはあまりに蒸し暑い。かといって春物のコートを脱ごうとすれば、その矢先に冷たい風が私に突き刺さる。
暑さと寒さが交互に押し寄せる、どっちつかずな気温だった。
事務所から駅までの道のりは、長くもなく短くもないような、中途半端な距離だ。
私は車で家に送ってもらいたかったのに、プロデューサーは時間がないと言うし、今のプロデューサーは既に退社しているような時間だった。
私は仕方なく、しかめっ面で駅まで歩いていた。
「あ」
その帰り道だった。
私は答えを見つけた。
私は思わず、間抜けな声を辺りに響かせてしまった。
答え――一番最初に話した、緑色の空にまつわるなぞなぞの、答えだ。
妙に腑に落ちる感覚があった。
かといって、納得がいくような答えでもない。
……このなぞなぞは、ずるい。
こんなの、思いつくわけがないじゃんか。
だってこれは、空じゃない。
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