80: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:55:39.35 ID:OJA0wgUK0
プロデューサーが顔を上げる。
彼の視線は、私を捉えている。
目が合う。
電流が走る。
記憶が呼び覚まされる。
ただならぬ予感が芽生えて、心の中が嵐の夜のようにざわつく。
また、だ。
私の視界に映る彼の目には、青色が揺らめいていた。
あの青色だ。
流れ星のような青色。
一瞬で空を真っ二つに切り裂いて、一秒足らずで世界を大きく作り変えてしまうような、流れ星のような青色。
私はその青色の正体を掴みかけている。
掴みかけているけれど、まだ、はっきりとはしていない。
「大人はね、ずるいんだ」
――言わなくても伝わるからって、それに甘えていたんだ。
彼の目に宿った青が、静かに燃えている。
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