魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:03:12.27 ID:jtQcW+hGO
「魔女さんが戦っているのも冒険者なの?」
「わかりません。言葉を濁されましたので」

岩山を登りながらふと浮かんだ疑問を口にする竜の子に生贄娘は正直にわからないと答えた。
姫君は巨悪としか口にしておらず、具体的な素性を教えてはくれなかった。それは、何故か。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:06:06.99 ID:jtQcW+hGO
「しかし、視界が悪いですねぇ」

魔女の戦いに目を凝らすも、雷雨によって見通しのきかない状況で敵影の視認は困難だった。
しかし人間よりも眼が良い竜の子は気づいた。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:09:04.92 ID:jtQcW+hGO
「魔女さんっ!?」

もはや、限界だった。とても見て居られない。
竜の爪で深々と肩口を切られ、鮮血が飛び散るその様を見過ごせずに、竜の子が飛び出した。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:11:10.48 ID:jtQcW+hGO
「魔女さん、しっかりして!?」
「……どうして、若が、ここに……?」
「お友達だからだよ!」

出血する魔女の傷口を抑え止血しつつ、理由を問われた竜の子は、当たり前のことを叫んだ。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:14:03.35 ID:jtQcW+hGO
「……ごめん。ごめんね……若」
「僕の方こそ、嘘に気づけなくて……ごめん」
「……違う。若は、優しい……私が、悪い」
「魔女さん……」

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:17:03.35 ID:jtQcW+hGO
「生贄娘! 大丈夫!?」

あれから魔女はすぐに治癒の魔法で自らの傷を治し、生贄娘の安否が気になる竜の子と共に、再び戦場へと戻った。とはいえ全快ではない。
いかに神秘の魔法とはいえ、裂傷によって失われた血液までは取り戻せないようで、顔色は悪いまま、足元はふらつき、再戦は困難だった。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:20:08.15 ID:jtQcW+hGO
「……たしかに、違和感はあった」

魔女は独白する。戦闘中に感じた、違和感を。

「……あの子は、何かに怯えているようだった」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:23:04.16 ID:jtQcW+hGO
「若様に対して、よくもそんな暴言を!」
「……全言を、撤回するべき」
「……ボクの父親は頭がおかしい人でさ」

憤る生贄娘と魔女の文句を聞き流す魔物使いは脈絡なく、自らが飼う混ざり物の出自を語る。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:25:03.62 ID:jtQcW+hGO
「頭のいかれた糞親父は満足げだったが、孕まされたドラゴンの方は気が狂い、ぶっ壊れた」

歪な笑みを浮かべ魔物使いは当時を振り返る。

「慟哭ってのはまさにあのことだった。ドラゴンって奴らは、さぞプライドが高いんだろうな。与えられたエサも食わず死のうとして、それでも死に切れず、忌まわしい妹を産んでからそのまま力尽きた。全く、余計なことを……」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:28:15.77 ID:jtQcW+hGO
「何なんだ、お前は!」
「……ごめんなさい」
「何の為に生まれた!」
「……ごめんなさい」
「何の為に生きてる!」
以下略 AAS



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