魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:28:15.77 ID:jtQcW+hGO
「何なんだ、お前は!」
「……ごめんなさい」
「何の為に生まれた!」
「……ごめんなさい」
「何の為に生きてる!」
「……ごめんなさい」

魔女の魔法の余波による暴風雨が弱まり、魔物使いが妹を詰る声とそれに対する沈痛な謝罪の言葉だけが、荒れた岩山の山頂に響き渡った。

「ボクは、何の為に、生かされた……!」

魔物使いは怒り、嘆き、そして全てを諦めた。
この世全ての恨みと憎しみと絶望を噛みしめ。
虚ろな目で山頂から世界を見渡し、吐き出す。

「だからボクは……この世界を、ぶっ壊すっ!」

歪な笑みを浮かべて、今後の計画を口にした。

「まずはこの国を滅ぼしてから、海を渡る!」

まるで夢を見る子供のように、野望を描いた。

「海の向こう側の奴らも全て、根絶やしだ!」

魔女と竜の子は戦慄した。完全に狂っている。
世界に対する恨みと憎しみが、身を竦ませる。
しかし、生贄娘だけはひとり冷めた目をして。

「それでその後はどうなさるおつもりです?」

その問いかけを聞いた竜の子は以前、母から聞かされた昔話を思い出す。結末はわからない。
ただ、酷く虚しいものだったことはたしかだ。


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